NBAファイナルでの活躍によりレジェンドクラスのプレイヤーとなったジミー・バトラー。
彼には実の母親に家を追い出され、13歳からホームレスとして生活していた過去がある(父親はジミーが幼い頃に蒸発)。
しかもその期間は高校の頃友人の家の養子になるまでの数年間に及んだ。
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そんな悲惨な生い立ちがありながら、彼は過去を振り返ることがないと言う。
その強靭な精神の源泉を学びたい。
過去を振り返らない男ジミー・バトラー、ルームミラーを取り外す
Embed from Getty Imagesジミーの母校であるマーケット大のコーチによると、彼は過去を振り返ることが大嫌いだそうだ。
二度と振り返れないように車のルームミラーを取り除いてしまった(そう、本当に)のは、彼がどれほど過去を振り返ることを嫌っているのか、象徴する出来事だろう。
シカゴマガジン、2015年インタビューよりhttps://www.chicagomag.com/Chicago-Magazine/November-2015/Jimmy-Butler/
またそのコーチ曰く、ジミーは過去の話に敏感だったようで、大学でプレイしている間は彼の生い立ちを秘密にしておくことを誓っていた。
ジミー・バトラーが過去の話を嫌う理由
Embed from Getty Imagesまだ若かった頃の出来事とは言え、ここまでするのは逆に生い立ちを気にしていることの表れであるようにも思える。
だが彼は過去の話を嫌う明確な理由を語っていた。
過去のことで自分を定義したくないんだ。
何かある度に人々がそのこと(悲惨な生い立ち)について語りたがるのが嫌なんだ。
同インタビューから
ジミーはさらに語る。
そんな過去があったから今の俺がいるんじゃない。俺が偉大なプレイヤーになれたのは努力のおかげだ。優れたプレイヤーになれたのは周りにいる人々のおかげなんだ。もし過去に拘り続けていたとしたら、何も良くならなかっただろう。あの頃の子供のまま、何も変わらなかっただろう。そんなの俺じゃない。俺はもうそんなところから遥か遠くに進んでいるんだ。恨みなんてないよ。
同インタビュー
彼は「悲惨な生い立ちのおかげで強くなった」そう言われるのが嫌なのだ。
ジミーが偉大なプレイヤーになれたのは、彼の努力と支えてくれた周囲の人々のおかげなのである。
また、上述の内容と矛盾する部分があるが、若き日、恐らくドラフト前後のESPNのインタビューに対してはこう答えている。
お願いだから、人々が僕に同情するような記事を書かないで。(同情されるのが)嫌なんだ。同情されるようなことは何もない。自分の身に起きたことを愛しているんだ。それが今の僕を作ってくれたんだ。自分が直面したチャレンジに感謝しているよ。だから、同情されるような記事を書かないで。
https://homeofplaymakers.com/jimmy-butlers-story-from-a-homeless-kid-to-an-nba-all-star/,ESPNインタビューより
共通しているのは、他人から同情されたり過去を引き摺っているように思われたりしたくないというところだろうか。
何にせよ、彼が自身の努力と周りの人々の支えによって今の地位を築いたのは間違いない。
自分を捨てた両親と和解しているという説も
Embed from Getty Images高校時代から自分を家族に加えてくれた養母のことを「お母さん」と呼んでいるのは有名な話だが、(https://www.si.com/nba/2015/02/24/jimmy-butler-chicago-bulls-nba-midseason-reportより)一説によると実母及び実父と和解しているという噂もある。
正確で信憑性のある記事が見つからなかったのと、ジミーがプライベートについて多くを語らないため定かではないが、「恨みはない」との言葉通り、過去のことを水に流している可能性は十分に考えられる。
いずれにせよ、過去を振り返らず前に進み続けるジミー・バトラーの姿勢から学べることは多いだろう。