『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』内容紹介 【自分らしくあるということ】

デニス・ロッドマンのワルがままにの内容

かつて世界中を虜にしたバスケ界のカリスマ、デニス・ロッドマン

全身を覆うタトゥーや毎試合のように変わるド派手な髪型女装癖自殺未遂に代表される数々の問題行動

コート外での話題が注目されがちな彼ですが、NBA歴代屈指のリバウンドとディフェンスを武器にデトロイト・ピストンズ、シカゴ・ブルズで計5回の優勝に貢献した実力者でもあります。

そんなロッドマンの自伝、では、『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』(徳間書店)ホームレスからNBAのレジェンドへと上り詰めた彼の哲学から所属したチームの裏事情や世間を騒がせた私生活まで赤裸々に語られています。

自分らしくあることの大切さを体現するデニス・ロッドマン。

彼の自伝の内容や見どころを紹介します。

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『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』内容紹介

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この本ではロッドマンの哲学が余すことなく語られています。

そのなかでも印象に残る見どころを4つに分けて紹介します。

スラム出身のワルだった生い立ち

俺はホームレスだった。セブンイレブンで働いたこともある。

『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』(徳間書店)P33

NBAにはスラム出身のプレイヤーが多く、極貧な環境で幼少期を過ごした過去は珍しくありません。

ですがその多くは比較的早いうちに才能を見込まれ、バスケットボール選手としての特別な道を歩みはじめます。

少なくとも、ロッドマンのように20歳の時点で時給6ドルの清掃員をしていたり窃盗の罪で刑務所に入れられたりしたプレイヤーはいないでしょう。おまけに彼が本格的にバスケをはじめたのは21歳のときです。(多くの選手は20歳前後でNBA入りします)

それまでもプレイ経験はあったそうですが、高校2年生のときレギュラーになれず辞めています。

彼には2つのターニングポイントがありました。

1つは高校を出て路上生活をしていた時代

それまで180センチに満たなかった身長が急に2メートル近くまで伸びたことがきっかけでした。NBAプレイヤーとしては平均程度の身長ですが、おかげでかつてできなかったプレイが可能になりました。

もう1つは上述の刑務所での一夜です。

当時のロッドマンは仲間に認められるために窃盗を繰り返していました

警官は、いったい俺は何のために盗んだのかと不思議がったに違いない。これは何という犯人か。俺はどの時計も、全然金にせず、売りつけようともしなかった。ただくれただけだった。近所で少しは顔になろうとして、ただ認めてもらいたかった

P37

保釈されるまでの一晩、彼は自分の人生について真剣に考えました。

そして出所してからは熱心にバスケットボールに打ち込むようになります。その後、妹の友人の紹介で受けたバスケで奨学金を得るためのテストに合格し短大に入学。プレイヤー、デニス・ロッドマンが誕生したのです。

それからも人種差別の激しい地域での暮らしや、友達になった13歳の男の子の家の農場で住み込みで働くなど、常人にとっては興味深い生活が綴られています。

プレイヤーとして

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NBA入りが25歳という超遅咲きのデニス・ロッドマン。

苦労人の彼がNBAで生き残るために辿り着いた哲学が、当時起こった数々の事件の詳細ととも語られています。

ルーキーの年が終わると、俺はリーグで生き残っていくために、得意分野を見つける決心をした。

P57

彼はリーグで長く生き残るために、リバウンドとディフェンスという誰もやりたがらない仕事を極める決意をします。ロッドマンはそのことをデトロイトの自動車工場で車のドアにボルトを取り付ける仕事をしている人に例えています

人が連中に何をしているかと聞いたなら、彼らは自動車を作っているというだろう。ボルトを締め付けているのではなく、自動車を作っているのだと。俺も、ただリバウンドを奪い、やたらハッスルしているだけではなく、バスケットボールで勝とうとしているのだというように。

P60

あえて裏方に徹する道を選んだ彼の姿勢に学べることは多いでしょう。

ロマンスと愛の哲学

オフコートでも話題に事欠かないデニス・ロッドマン。

マドンナとの恋愛に代表される女性関係について臆さず暴露しています。

見た目とは裏腹に繊細な彼の愛の哲学には誰もが考えさせられることでしょう。

「俺はきみが誰だろうと構わない。きみと一緒にいるのは一緒にいたいからで、きみがマドンナだからでも、きみが俺を有名にする助けになるからでもない」

P192

女性関係に限らず、ロッドマンは他人をステータスで判断しません。スーパースターになった後でも、相手がホームレスだろうが子供だろうが自分と対等な1人の人間として扱います。

そして相手にもそれを望みます。本を書いた当時、再婚相手に求める条件についてこう語っています。

たとえ俺がまた空港で働くような生活に戻っても、ずっと俺といっしょにいられるようでなくてはならない。

P254

時給6ドルの清掃員としての生活。もし彼が再びそんな風になったとしても受け入れてくれることが唯一の条件だそうです。

このほか、もともと奥手だった性に関してもロッドマン節で語っています。

自殺願望から女装趣味まで

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デニス・ロッドマンと言えば多くの人が今現在のド派手な姿を思い浮かべることでしょう。

ですが彼がはじめて髪を染め、タトゥーを入れたのは30代前半の頃です。

彼は32歳のとき、自殺未遂事件を機に生まれ変わったのだと言います。

周囲の人間が求め、期待する人間でいることに限界がきていた。

P329

そして彼は、それまで世間に合わせるため偽りの人格を演じ続けてきたもう1人の自分に向かってライフルの引鉄を引き自分らしく生きる現在の姿になることができたのです。

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またロッドマンは女装趣味を一切隠そうとしません。それは自分なかにある女性的な部分を表現しているにすぎないからです。

彼は若者たちに、常識や他人の意見に囚われず、自分の心が望むように進むことを推奨しています。

ほかの連中に言われて、自分がどういう人間になるかを決めるな。

P280
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『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』はこんな人におすすめ

NBAファン

当時のNBA選手たちのプライベートやチーム内のゴタゴタが赤裸々に書かれているため、NBAファンにとっては実に楽しめる1冊になることでしょう。

最近ファンになった方でも、グレック・ポポビッチHCや選手時代のドック・リバースへの悪口などはつい笑ってしまうのではないでしょうか。

生きづらさを抱えている人

ここまで紹介したように、デニス・ロッドマンは風貌とは裏腹に繊細で複雑な人間です。

彼が抱えていた悩みは、生きづらさを抱える多くの人が共感できることでしょう。

そして彼が辿り着いた哲学は生きづらさの克服に必ず役立つはずです。

『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』注意点

発売当時大きな反響を呼び、現在でも色褪せることのない『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』ですが、読んでいてストレスを感じる部分がないわけではありません。その点についても解説します。

NBAファン以外にはわからない用語や人物が多数

断言しますが、NBAファン、それもマニアな部類に入る人でない限り、置いてけぼりを食う部分が多々あるでしょう。

そのため、わからない人物や用語についてはサラッと飛ばしてロッドマンの哲学を楽しむスタンスに徹することをおすすめします。

愚痴っぽく少しわかりづらい構成

普段の言動と同じく、彼が思っていることを隠さずそのまま書いているため、読みづらい構成になっている点は否めません。

また、揉め事のあったチームや人物などについてはしつこいくらいに批判しているので、愚痴を聞いている感覚になり少しうんざりすることでしょう。

そういった部分も適当に読み飛ばして問題ありません。

「自分らしくある」デニス・ロッドマンの哲学を学べる至高の1冊

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多少読みづらい点はあるものの、そういった部分も素直で人間らしいロッドマンの魅力です。

自分を偽らない。

彼の哲学を学べる『デニス・ロッドマンの「ワルがままに」』は、全ての人が共感できる至高の1冊と言えるでしょう。