尽きることのない人間関係の悩み。昔に比べ連絡手段が増えた現代では、人付き合い関するストレスを抱えている人が増えています。
そのため近年注目されているのが、それまで築いてきた人間関係をすべて捨ててしまう「人間関係リセット」というワード。
これは好き嫌い、仲の良い悪いに拘わらず、自分を取り巻く人間関係をまるでゲームのリセットボタンを押すように真っ白にしてしまうことを指すスラングです。
「人間関係リセット症候群」あるいは「人間関係リセット癖」とも呼ばれるこの行為のメリットとデメリットについて解説します。
人間関係リセットの方法

人間関係のリセットには 以下のような方法があります。
・SNSを退会する
・LINEやメール、電話番号などの連絡手段を変える
・転職する
・知り合いがいない土地に引っ越す
このように、他人からの接触手段を物理的に断つことが人間関係リセットの代表的なやり方です。
その対象は親族にまで及ぶことも珍しくありません。
人間関係リセットのメリット

人間関係に限らず、自分が築き上げてきたものをすべて捨てることになる人間関係のリセット。
それによって得られるメリットを確認していきましょう。
・人間関係によるストレスから解放される
・自分のことに集中できる
・交際にかかる費用を抑えられる
・職業選択や結婚などに対するプレッシャーが無くなる
「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの名言の通り、人間関係をリセットすることでこれだけのメリットが得られます。
時間やお金などのわかりやすいもの以外にも、それまで知らず知らずのうちに受けていたストレスやプレッシャーから解放されるため、かつてないほどの自由を感じられることでしょう。
人間関係リセットのデメリット

自由を得られる反面、支払う代償の大きさが容易に想像できる人間関係リセット。
そのデメリットも挙げていきます。
・頼れる人がいなくなる
・親族も含めてリセットしてしまった場合、就職や結婚、住居選択などに支障が出る
・ドライになる
・世界が狭まるため考えが凝り固まりやすい
「頼れる人がいなくなる」「社会的な選択に制限がかかる」などはリセットをする前に誰もが考えることでしょう。
問題は下の2つ。
1度リセットを経験すると、その後の対人関係においても常にリセットという選択肢がチラつくようになります。
嫌なら捨てればいいという考え方を持っていると、人を信頼したり、親密な関係を築いたりすることが困難になることでしょう。なぜなら、これらは結局のところ自分の気持ちの問題だからです。
またリセットによって絶対に近寄れない場所や触れたくない話題などが生まれてしまいます。こうしたものは、表面上誤魔化すことができても無意識の部分で引っかかってしまうものです。それによって考え方の自由が奪われていることにやがて気がつくでしょう。
「社会的な制限」「ドライになる」「世界が狭くなる」
人間関係のリセットはストレスからの解放と自由をもたらす一方で、また別の悩みと制限を生んでしまう可能性が高いと言えます。
人間関係のリセットには予想以上の代償がある

以上、人間関係リセットのメリットとデメリットについて解説しました。
ストレスでしかない人間関係を断ち切るのは悪いことではありません。
ですがリセットが問題の解決に繋がるわけではないことを頭に入れておく必要があると言えるでしょう。