走るのに欠かせないランニングシューズ。
でもいざ買おうと思うと種類が多すぎてどれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
これからランニングをはじめたいと考えている初心者のためのランニングシューズの選び方を、元大手スポーツメーカーの店員が解説します。
【意外と知らない】正しいサイズの選び方
シューズを選ぶうえで1番大切なのは自分に合ったサイズを履くこと。当たり前のようですが、実際にそれができている人は非常に稀なのが事実。誤ったサイズのシューズを履いてしまうと、ケガや障害に繋がったり、パフォーマンスが落ちたりしてしまいます。
まずは正しいサイズの選び方をチェックしていきましょう。
【ポイント1】足長を計測しよう
靴を選ぶとき、シューズのサイズは誰もが最初に気にするところでしょう。サイズは足長、つまり踵からつま先までの長さに対して適正なものを選びます。
意外なことに、実はここがもっとも間違いが起こりやすいポイントです。
まずは靴屋さんやスポーツショップなどのお店で自分の足のサイズを計測してもらうことをおすすめします。
【ポイント2】サイズはつま先から0.5~1cmが目安
A.歩いたときにシューズのなかで足がズレないサイズを選ぼう
多くのスポーツショップやメーカーでは実寸(実際の足の長さ)+0.5~1・0cmを適正なサイズの目安としています。例えば実寸が23.0cmの人であれば、23.5~24.0cmが適正です。大体手の小指の幅くらいと覚えておくとわかりやすいかもしれません。
実は誤ったサイズを履いている人の多くは、実寸よりかなり大きいものを選んでしまっている場合がほとんどです。
この理由は2つあります。
・適正なサイズではキツイと感じるから
・靴擦れの経験から適正なサイズでは小さいと思い込んでいる
一度でも大きなサイズに慣れてしまうと、適正なサイズのシューズを履いたときにはかなりキツく感じます。ですがサイズ選びの基本は、歩いたときにシューズのなかで足がズレないことです。しっかり足が固定されるサイズを選びましょう。
もう1つの理由である靴擦れ。実は靴擦れはサイズが大きすぎて起こるケースがほとんど。シューズのなかに隙間があると歩くたびに擦れてしまうからです。それ以外にもケガや障害の原因になることがあるので気をつけましょう。
【ポイント3】メーカーや靴の種類によってサイズが異なる
基本的にはJIS規格で統一されているのですが、構造の関係でそれぞれのメーカーやシューズによってサイズが微妙に異なる場合があります。選ぶ際は店員さんに見てもらう方が良いでしょう。
よく見かけるのがスニーカーと革靴を同じサイズで履いている男性。スニーカーやスポーツシューズと異なり、革靴やブーツなどはつま先に遊びがあるため、実寸で履くように作られています。つまりスニーカーのサイズより少し小さくなるのが普通です。
【ポイント4】足幅や足囲にも注意しよう
ここまで足長について説明してきましたが、足幅や足囲も大切になります。
・足幅…足の一番広くなっているところ(親指の付け根と小指の付け根の出っ張った部分)を一直線に測った長さ
・足囲…同じ部分をメジャーでグルっと1周した長さ
この2つの長さがワイズを選ぶ際の基準です。ワイズは靴の横幅のことで、細い方からD→E→2→3Eと表記されます。
足長同様、横幅も広すぎるものを選んでしまうと靴擦れや障害の原因になり得るため注意が必要です。
ワイズに関しても多くの人が実寸より広すぎるものを選んでしまう傾向があります。やはり計測や専門のスタッフからアドバイスをもらうのが良いでしょう。
ランニングシューズの主な機能を紹介

ランニングシューズの主な機能を分解すると、以下のようなものが挙げられます。選ぶ際の基準にしましょう。
クッション性
着地の衝撃から足を守ってくれる機能です。有名なものではナイキのエアやアシックスのGELがあります。
クッション性の高いものは基本的に底が厚く、重量があります(最近流行の厚底シューズは特殊なので避けた方が良いでしょう)。
安定性
走る際に足がブレないようにする機能。靴底の形状や硬さを調節することで正しい走り方ができるようにサポートしてくれます。
また足のアーチ(土踏まず)を保護する機能も大切です。
ホールド性
歩いたり走ったりする際にシューズのなかで足が動かないようにホールドする機能です。
特に踵のホールド性はチェックした方が良いでしょう(なかに踵を保護するプレートが入っているものがおすすめです)。
柔軟性(屈曲性)
ソール(靴底)の曲がりやすさ。柔軟性が高いと裸足に近い感覚になります。
重要なのは、歩くとき指の関節(付け根の部分)が適切な位置で曲がるようになっているかどうかです。
通気性
シューズ内の風通しの良さ。ランニングシューズには通気口があったりメッシュ素材を使用しているのが一般的です。
通気性が高いと足がむれたりマメができたりするのを防いでくれます。
軽量性
シューズの軽さになります。
基本的に軽ければ軽いほどクッション性が無くなります。
耐久性
靴底の摩耗しづらさです。
耐久性が高いシューズほど長持ちします。
グリップ性
底のグリップ力です。
これが高いと滑りづらくなりますが、同時に摩耗しやすくもなります。
初心者が重視すべきなのはケガをしないこと
代表的なものだけでも多くの機能を持つランニングシューズ。しかし残念ながらすべての機能を高い水準で兼ね備えることは不可能です。
特にクッション性と軽量性は反比例するため、軽くてクッション性が高いシューズというのは実現が難しいと言えます(技術が進歩しているので昔よりはマシだと思いますが……)。
そこで初心者がランニングシューズを選ぶ際に重視すべきなのは、
・クッション性
・安定性
・ホールド性
・通気性
など、ケガを予防する機能が高いシューズです。
せっかくランニングをはじめるのだから継続できるように足を大切にしましょう。
上級者向けのシューズはとても軽量な代わりにクッション性がほとんどありません。上級者は足底の筋肉が発達しているため、自らの足がクッションの役割を果たしているのです。間違って上級者向けのシューズを購入しないように気をつけましょう。
ランニングシューズを買う前には必ず試し履きを

ランニングシューズを購入する際、価格だけを考えるならネット通販がお買い得。
ですが実際に届いたシューズが足に合わないというケースもありがちです。
ケガを防ぐためにも必ず実店舗で試し履きをするようにしましょう。
初心者におすすめのランニングシューズベスト3
最後に初心者におすすめのランニングシューズをアシックスから3足紹介します。
各シューズそれぞれ男女別のモデルがあり、カラーも豊富です。
是非参考にしてみてください。
【1位】GEL-KAYANO(ゲルカヤノ)
アシックスが誇る高機能シューズGEL-KAYANO。
非常に高いクッション性が膝を守ります。
初心者におすすめのランニングシューズです。
【2位】GT-2000
同じく高いクッション性を誇るGT-2000。
そのスタイリッシュなデザインも人気で、根強いファンがいます。
普段履きにされてる方も多い非常にポピュラーな1足。
【3位】GT-1000
上記の2つにはやや劣るものの十分高いクッション性を持つGT-1000シリーズ。
その分少し安くお求めやすい価格になっているのが嬉しいところ。
最近ではゴアテックス仕様の防水モデルも出ており、より走りやすく進化しています。