ゲームのボタンを押すがごとくそれまで築き上げてきた人間関係を唐突にリセットしてしまう人間関係リセット症候群。
傍から見たら理解できない行動ではあるが、あえてそんな行為を繰り返すからにはなにかしらメリットがあるのではないだろうか。
今回は人間関係リセット症候群のメリットについて解説・考察していく。
人間関係リセット症候群のメリットとは?
どう考えてもキャリアがめちゃくちゃなりやすい人間関係リセット症候群。
そんなリスクを負ってまで行うメリットとはなんだろうか。筆者が自問自答しながら導き出した人間関係リセット症候群のメリットは以下の通りである。
しいて挙げるなら「しがらみの断捨離」
人間関係リセット症候群のメリット1つ目は「しがらみの断捨離」だ。
以前「人間関係の断捨離」という言葉が流行ったのを覚えている方も多いかもしれない。つまるところ人間関係リセット症候群は「やり過ぎ」かつ「不器用」な「断捨離」なのである。
本人はリセットすることで不要なストレスから逃れているのだ。
自分を出せなかった場所からの脱出
誰かと接するとき常に仮面を身に着けているという人は多いだろう。人は出会った人の数と同じだけ自分がいるとも言われているように、社会で生きていくうえで完全に素の状態でいる人間はおそらく稀である。
だがその仮面があまりにも自分の本質からかけ離れている場合はひどい苦痛を感じるようになる。人間関係のリセットとは、自分を出せなかった場所から抜け出すための手段なのかもしれない。
捨てられる不安を解消
自分がいくら親しみを感じていたとしても、相手も同じ思いを抱いているとは限らない。そして実際に相手が自分から離れていってしまったときの苦しみは非常に耐え難いものである。
人間関係リセット症候群とは言わば先手必勝のスタイルと見ることもできる。捨てられる不安を払拭するためにはこちらから先に捨ててしまえばいいのである。
これは逃げであろうか?リセットを繰り返している人はおそらくどこかのタイミングでこうした問いに答えなければならないのかもしれない。
人間関係におけるストレスが皆無になる
上述の3つを一纏めにしたようなかたちになるが、人間関係におけるストレスがゼロになるのはリセットを行う大きなメリットだろう。誰とも関わらなければ他人のことで悩む必要はなくなるのは当然だ。
なにをしようが誰にも咎められない。
一度この心地よさを知ってしまった人がリセットを繰り返すようになるのではないだろうか。
他人に割く金銭や時間の節約
人間関係リセット症候群における唯一の物理的なメリットは金銭や時間の節約だ。
友人や知人が多いほど遊びや食事、結婚式や葬式などの金銭・時間的な出費が増える。
リセットしてしまえば今現在関わっている人以外にそうした支出の必要がなくなるのだ。
薄給な人にとってはこれこそ大きなメリットになるのかもしれない。
問い:人間関係リセット症候群のメリットは人に理解されるのだろうか?
答えはNoだろう。誰もいないところに行きたいとか、一人になりたいとか、その程度のことであれば誰もが考えたことがあるはずだ。
だがいくら辛いからと言って周囲の人間との関係を強引に、それも永久に断ち切るような行為はなかなかクレイジーと思われる可能性が高い。と言うか筆者の経験上、理解してくれたのは同じレベルでリセットしてしまったような境遇の人だけだった。
もちろん大人であれば大抵の人は理解を示そうとしてくれるが、話を進めていくと「えっ!?」と驚かれるのが常だ。
つまり「わかる人にしかわからない」これが人間関係リセット症候群だ。