一時ニュースでも取り上げられた人間関係リセット症候群。実体験から言わせてもらうと、当事者は案外気楽なもので、逆にリセットされた側の方が思い悩んでしまうことがある。
では人間関係をリセットされた側はどう対処すればいいのだろうか?
人間関係リセット症候群の当事者が解説していく。
人間関係リセット症候群とは?
人間関係リセット症候群とはその名の通り「ゲームのリセットボタンを押すが如く人間関係をすべて白紙にしてしまう行為」を指すネットスラングである。
と言ってもその範囲や内容には個人差があり、
- SNSを削除するだけ
- LINEや電話をシカトし続けるだけ
- 家族や親友など関係性の深い人は残しておく
- 転職や引っ越しをして誰にも住所を教えない
など、比較的ライトなものからちょっとした行方不明レベルのものまで様々なパターンが見られる。
ただ多くのケースで共通するのは、人間関係をリセットされた側にしてみればあまりにも突然である点。そして大抵の場合、リセットされた側にとってはそこまでされる理由がわからないのも特徴。
したがって人間関係のリセットをされた側は、相手との関係が深いほど
「なにかあったのかな?」
「気に障ることでもしたのかな?」
などと思い悩む羽目になることも多い。
人間関係をリセットされた側に問題はある?
結論から言おう。
人間関係をリセットされた側に非があるケースは少ない。
いや、曖昧な言い方が許されるならケースバイケースだ。
たとえば所謂「毒親」なんかは本人に自覚がないだけでリセットされても仕方ない部分多いだろう。ナチュラルに周りを振り回したり暴言を吐いたりするタイプの人なんかもリセットされて然るべきだ。もちろん悪気なく相手を傷つけてしまっていたという可能性もある。
ただ最初に述べたように、リセットされた人々の大半には問題がない。
人間関係のリセットは大抵の場合リセットした側の「一身上の都合により」だ。
人間関係をリセットされた側はどうするべき?
それでも人間関係をリセットされた側にとっては気になる部分もあるだろう。人間関係リセット症候群の患者は昨日まで楽しく話していたのに急に音信不通になるレベルの行為を平然としてのけるのだから当然だ。
では人間関係をリセットされた側はどうすべきなのだろうか?
人間関係リセット症候群の当事者が考える対処法は以下の通りだ。
相手の都合なので基本そっとしておく
前述のように、人間関係リセット症候群は基本的に患者の自己都合によるものだ。
よってリセットされた側が気に病む必要はない。
でもどうしても気になるという心優しい方に一つだけアドバイスするならば「そっとしておく」のがベストと言える。
結局のところ、わざわざリセットなんていうリスキーな行為に奔るからには「一人になりたい」「干渉されたくない」「自分の現状を誰にも知られたくない」という心理が内包されている場合が多い。
そうしたおセンチな気分にある人に対して干渉していくのは逆効果である。
無論「悩みがあるなら俺に言えよ!」なんて強引に踏み入った結果ドラマのような大団円を迎える可能性も否定はしない。
だが、基本的には逆効果なのでそっとしておくのがベストだともう一度言っておく。
なぜなら、そんなことで話せるなら最初から話しているはずだからだ。
明らかに病気などの場合は話は別
明らかになにか精神的な病気が疑われる場合や、誰がどう見ても原因が明確なときには助け舟を出してもいいかもしれない。
ただし当然面倒なことに巻き込まれると思われるので、その覚悟がある人に限るが。
よってやはりリセットされた側の基本スタンスは「干渉しない」というのが有力になる。
もし関係を維持したいなら……
リセットという理不尽な目にあいながらなお再び交流を持ちたいという海より広い心の持ち主もいるかもしれない。
もしそうした希望を持っているならば取り得る手段は一つ。
いつの日か、相手が再び接近してきたときに自然な笑顔で受け入れることだ。
都合のいい例えになるが、人間関係リセット症候群の患者は猫のような面を持っている。仲良くなろうと強引に近づいて来る人間に苦手意識を持ちやすいのだ。
猫と仲良くなるには、逆に猫の方から近づいてきたときに優しく接する必要がある。つまりは穏やかな距離感が大切なのである。
よってリセットされた側が相手との再会を望むならば、「いつの日かまた会えたらいいな」程度の心持で静かに待つことが求められる。